英文法用語考
「文法が分からない」「文法が苦手」などという人がいます。で、文法って何でしょう。
文法用語のことを「文法」だと思う人がいるかも知れません。でも、「文法」というのは
「一つの言語を構成する語・句・文などの形態・機能・解釈やそれらに加えられる操作についての規則。(広辞苑第六版より引用)」
「規則」のことを文法と呼んでいるんですね。規則をわからずにそれをしているってことは、ルールを知らずにスポーツを見たりやったりしているのと同じです。それでは楽しめません。
「文法」の「法」は、法律の「法」。心理的にちょっといやなことばです。
英語のgrammarということばには「占い」とか「魔術」のような意味合いもあったようです。頭の中でできている不思議なしくみですからね。「魅惑」という意味のglamourということばは、このgrammarの感覚から創られたといいます。(grammar; まやかしのタブレット)
文法ということばじゃなくて、仮に「文魔術」という呼び方だったら、知りたい気持ちが出るかもしれません。
文法用語もそうです。「仮定法」ってことばにも、嫌な印象を持つ人も多いでしょう。ここでの「法」は英語では"mood"。それならとっつきやすい。
「現在分詞」「過去分詞」の「分詞」って何でしょう。これはparticipleを訳したものですが、これはparticipate(参加する)から派生したことばで「動詞が形容詞の仲間に参加した」という意味だそうです(「英語の感覚(下)」から)。動詞が形容詞的な働きができるようにした形ということなんですね。「参加」させた結果、「現在の状態」を表したり、「過去の状態」を表したりすることが可能になりました。さらに完了形や分詞構文に発展して便利に使えています。
「不定詞」って何でしょう。動詞の原型を不定詞と呼んだり、「to」がついたものを「to不定詞」と呼んだりします。
どういうことかというと、
欧州言語では人称によって動詞がたくさんの形に活用します。それはそれは複雑です。男性名詞/女性名詞や複数/単数などによって複雑に活用します。日本語の活用の複雑さの比ではありません。幸いにして英語の場合は歴史の中でそこがだいぶ単純化してくれたので我々学習者は助かっていますが。
「不定詞」というのは、infinitiveの訳で、そういう人称に「限定されない」、定型の動詞の形・・という意味のようです(英語の感覚(下))から)。その「定型の形」が「動詞の原型」となっているということです。ですから、「誰がする」とか「彼がした」とか、そんなふうな「固定の意味」ではない、事実じゃなくて「概念」をあらわしたものが「不定詞」ということです。「ぽわーん」としているんですね。「ぽわーん」としていると考えると「不定詞」という用語も悪くありません。人称に影響されないんだから簡単でありがたい。
そもそも、「動詞」って呼び名も混乱のもとです。「動くことば」「動くことを表すことば」なのですから。でも、もともとverbという言葉には広い意味がありました。verbalという形容詞が「言葉の」「口頭の」という意味を表すように、遡ればverbは「ことば」に関わる広い意味を持つことばから生まれてきたようです。
「動詞」というと、jumpとかwalkとか「動作」を表すもののような概念を持ってしまいます。でも実際は「知覚」とか「気持ちの状態」とか、「動」の印象とは違うことも含みます。そこを認識する必要があると思います。
英英辞典ではなんて書いてあるかというと
"verb ; a word or group of words that describes an action, experience"
「動詞」という印象とはずいぶん違いますよね。
「目的語」はobjectのことで、「対象物」と捉えた方がとらえやすいと思う人もいるかも知れません。
「進行形」という用語も、「動作が進行している」「変動している」ような、なんだか「時間軸上で傾きがある」ような印象を与えます。「現在進行形」は"present progressive form"。確かに「現在進行形」です。でも"present continuous "という言い方もあって、それなら「現在継続形」。この言い方なら、変動しない「状態」も表すので、理解が深まると思います。
「構文」というのも堅いですね。「ありがち法則」とか「テンプレート」とか「パターン」と考えたらどうでしょう。「パターン」を知ってたら何事も分かりやすいですよ。「水戸黄門」が面白いのは、パターンがあって先が読めて安心だからです。編み物だってパターンを知れば楽だし、スポーツだってフォーメーションを知れば楽で楽しいですよね。5文型だって、「5つのありがちパターン」なんですから。
文法用語は「呼称」「名前」です。ときには「名は体を表す」とはいえない場合があります。でも「呼び名=記号」を知っていると、辞書や文法書が言っていることを理解できます。野球の「三振」と同じです(三回振らなくても三振になります)。三振の意味を知っていればスポーツ新聞が読めますね。だから呼称をおぼえることも大切です。
用語を知るのは重要。中身を理解するのも重要。
Native speakerが長い時間かけておぼえる規則性の「ありがちパターン」をてっとり早く知る方法が「文法」なんですから。「勝ちパターン」は基本を知った上で繰り返せば身につきます。
関連:文法を学ぶ意味;英語の「レシピ」
「絵で知る英語の文型」
文法用語のことを「文法」だと思う人がいるかも知れません。でも、「文法」というのは
「一つの言語を構成する語・句・文などの形態・機能・解釈やそれらに加えられる操作についての規則。(広辞苑第六版より引用)」
「規則」のことを文法と呼んでいるんですね。規則をわからずにそれをしているってことは、ルールを知らずにスポーツを見たりやったりしているのと同じです。それでは楽しめません。
「文法」の「法」は、法律の「法」。心理的にちょっといやなことばです。
英語のgrammarということばには「占い」とか「魔術」のような意味合いもあったようです。頭の中でできている不思議なしくみですからね。「魅惑」という意味のglamourということばは、このgrammarの感覚から創られたといいます。(grammar; まやかしのタブレット)
文法ということばじゃなくて、仮に「文魔術」という呼び方だったら、知りたい気持ちが出るかもしれません。
文法用語もそうです。「仮定法」ってことばにも、嫌な印象を持つ人も多いでしょう。ここでの「法」は英語では"mood"。それならとっつきやすい。
「現在分詞」「過去分詞」の「分詞」って何でしょう。これはparticipleを訳したものですが、これはparticipate(参加する)から派生したことばで「動詞が形容詞の仲間に参加した」という意味だそうです(「英語の感覚(下)」から)。動詞が形容詞的な働きができるようにした形ということなんですね。「参加」させた結果、「現在の状態」を表したり、「過去の状態」を表したりすることが可能になりました。さらに完了形や分詞構文に発展して便利に使えています。
「不定詞」って何でしょう。動詞の原型を不定詞と呼んだり、「to」がついたものを「to不定詞」と呼んだりします。
どういうことかというと、
欧州言語では人称によって動詞がたくさんの形に活用します。それはそれは複雑です。男性名詞/女性名詞や複数/単数などによって複雑に活用します。日本語の活用の複雑さの比ではありません。幸いにして英語の場合は歴史の中でそこがだいぶ単純化してくれたので我々学習者は助かっていますが。
「不定詞」というのは、infinitiveの訳で、そういう人称に「限定されない」、定型の動詞の形・・という意味のようです(英語の感覚(下))から)。その「定型の形」が「動詞の原型」となっているということです。ですから、「誰がする」とか「彼がした」とか、そんなふうな「固定の意味」ではない、事実じゃなくて「概念」をあらわしたものが「不定詞」ということです。「ぽわーん」としているんですね。「ぽわーん」としていると考えると「不定詞」という用語も悪くありません。人称に影響されないんだから簡単でありがたい。
そもそも、「動詞」って呼び名も混乱のもとです。「動くことば」「動くことを表すことば」なのですから。でも、もともとverbという言葉には広い意味がありました。verbalという形容詞が「言葉の」「口頭の」という意味を表すように、遡ればverbは「ことば」に関わる広い意味を持つことばから生まれてきたようです。
「動詞」というと、jumpとかwalkとか「動作」を表すもののような概念を持ってしまいます。でも実際は「知覚」とか「気持ちの状態」とか、「動」の印象とは違うことも含みます。そこを認識する必要があると思います。
英英辞典ではなんて書いてあるかというと
"verb ; a word or group of words that describes an action, experience"
「動詞」という印象とはずいぶん違いますよね。
「目的語」はobjectのことで、「対象物」と捉えた方がとらえやすいと思う人もいるかも知れません。
「進行形」という用語も、「動作が進行している」「変動している」ような、なんだか「時間軸上で傾きがある」ような印象を与えます。「現在進行形」は"present progressive form"。確かに「現在進行形」です。でも"present continuous "という言い方もあって、それなら「現在継続形」。この言い方なら、変動しない「状態」も表すので、理解が深まると思います。
「構文」というのも堅いですね。「ありがち法則」とか「テンプレート」とか「パターン」と考えたらどうでしょう。「パターン」を知ってたら何事も分かりやすいですよ。「水戸黄門」が面白いのは、パターンがあって先が読めて安心だからです。編み物だってパターンを知れば楽だし、スポーツだってフォーメーションを知れば楽で楽しいですよね。5文型だって、「5つのありがちパターン」なんですから。
文法用語は「呼称」「名前」です。ときには「名は体を表す」とはいえない場合があります。でも「呼び名=記号」を知っていると、辞書や文法書が言っていることを理解できます。野球の「三振」と同じです(三回振らなくても三振になります)。三振の意味を知っていればスポーツ新聞が読めますね。だから呼称をおぼえることも大切です。
用語を知るのは重要。中身を理解するのも重要。
Native speakerが長い時間かけておぼえる規則性の「ありがちパターン」をてっとり早く知る方法が「文法」なんですから。「勝ちパターン」は基本を知った上で繰り返せば身につきます。
関連:文法を学ぶ意味;英語の「レシピ」
「絵で知る英語の文型」

この記事へのコメント
自分は過去分詞を想起、現在分詞をお騒がせ想起、って呼んでます。
すみません。この説明文すら意味が良くわかりません。
私は英語や国語はむしろ得意で成績も良かった方ですが、この文法用語だけは、国語・英語どちらもなかなか把握できません。
今でも、どの単語が主語でどの単語が述語かは「これかな?」となんとなく分かるレベルです。
文法用語が分からない人は、分かる人が思ってるよりも分からないものなのですよ。
この記事で書いているのは、文法用語の呼び名が、指している対象とぴったり合っていない例で、ピンと来ない例です。少しは解消できるのではないかと思って書きました。どの単語が主語かが分からないのは、呼び名の問題とは違うと思います。
「動詞」の呼び名の話は、「「動詞」と呼ばれる対象の単語は、「動詞」という呼び名が暗示するものよりも広い範囲だよ」ということを言っています。「「動詞」という呼び名に惑わされてはいけないよ」ということです。
品詞の分類の理解自体に苦労する人にとっては、確かにこの記事だけでは分かり難かったと思います。