capitalの意味を考える
"capital"って語、辞書をみてみると、なんだかたくさんの訳語が出てますね。
名詞だと(1)「首都」「中心都市」、(2)「資本金」「資産」「元金」「元手」、(3)「頭文字」「大文字」。形容詞には「死刑に値する」「致命的」なんていうのもあります。
なんだか(1)(2)(3)(4)の間に関連がないように思えます。さて、このcapitalの正体は何でしょうか。
このcapitalのcapは「頭」のことです。以前書いた「カポッとcap;頭を捕まえる capture, chase」を見てください。capがつく語の多くは、インド・ヨーロッパ祖語"*kap"に由来する語で、この"*kap"はもともと「つかむ」という意味でした。動物を捕まえるときは頭をとらえるので、そこから「頭」の意味になり、そこからたくさんの語に形を変えています。cap、captain、chief、chef、cape、chapterなどなど。「組織の頭」とか「頭の形に似てる」とか「何かの頭(最初)にある」とか、どれも「頭」に関係してます。
もともとの「捕まえる」の意味からきたのが、capture、catch、capacity、chase。「捕まえて確保しておく」ことからは、case、captiveがあるほか、keep、haveも実は同源です。
話戻って、このcapitalもその仲間。ということは「頭」に関係ありそうです。派生して「主要部分」「重要部分」。そういう見方をすると:
(1)の意味「首都」は、「首」という字があらわすように、「都市の中の頭(かしら)」。captainとかchiefの意味に近いですね。
(2)の「資本金」は「最初=あたま」の金という捉え方もできるし、ほんとは「中心部分の金」ということのようです。「利子」が「端」なら「元金」は「主要・中心」ですね。
(3)の「頭文字」は「文頭の文字」。文頭の文字は大文字で表すから、capital letter。なるほど。
(4)の「死刑に値する」というのもつながります。「頭」はひとの「命」と一体ですもんね。
capitalと似てる語で、capitaという語があります。これ、不思議な語で、辞書には"per capita"の使い方しか出ていません。もっとしらべると、「capitaはcaputの複数形」とあります。ラテン語ですね。caputは「【解剖】頭, 頭状部; 骨頭, 筋頭」とあります。"per capita"で「ひとり当たり」つまり「ひとり頭」のことですね。
「頭」を思い浮かべると、capitalや他の「cap系」の語の意味が理解できます。
ここからはおまけ
「頭」というのは、人間の生活に重要なものですから、とても古くからあった語だと考えられます。そこから派生した語がたくさんあることも当然に思えます。
不思議なのですが、capに似た語が日本語にもあります。しかもこれらも古い語です。
まず、「かぶら」=「かぶ」です。これは、頭の形に似ているから「かぶら」と名づけられたようです。西洋のcabbage(キャベツ)が「頭に似てる」からそう名づけられたのと似ています。
「かぶる」、「兜(かぶと)」や、それから「頭部」をあらわすこともある「首(くび)」という語も似ています。「こうべを垂れる」の「こうべ」も頭のことですがやはり似てますね。
雨合羽」の「カッパ」は、実は日本語ではなくて、ポルトガル語のcapaからきています。(頭からかぶる雨具)
欧州語と日本語以外の言語をみてみると、「頭」はタガログ語で「kab」、ネパール語では「kapa」。それから韓国語で「カリ」、トルコ語で「kelle」。古い語だけに、言語間につながりがあるように見えます。共通語源なんじゃないかと。
名詞だと(1)「首都」「中心都市」、(2)「資本金」「資産」「元金」「元手」、(3)「頭文字」「大文字」。形容詞には「死刑に値する」「致命的」なんていうのもあります。
なんだか(1)(2)(3)(4)の間に関連がないように思えます。さて、このcapitalの正体は何でしょうか。
このcapitalのcapは「頭」のことです。以前書いた「カポッとcap;頭を捕まえる capture, chase」を見てください。capがつく語の多くは、インド・ヨーロッパ祖語"*kap"に由来する語で、この"*kap"はもともと「つかむ」という意味でした。動物を捕まえるときは頭をとらえるので、そこから「頭」の意味になり、そこからたくさんの語に形を変えています。cap、captain、chief、chef、cape、chapterなどなど。「組織の頭」とか「頭の形に似てる」とか「何かの頭(最初)にある」とか、どれも「頭」に関係してます。
もともとの「捕まえる」の意味からきたのが、capture、catch、capacity、chase。「捕まえて確保しておく」ことからは、case、captiveがあるほか、keep、haveも実は同源です。
話戻って、このcapitalもその仲間。ということは「頭」に関係ありそうです。派生して「主要部分」「重要部分」。そういう見方をすると:
(1)の意味「首都」は、「首」という字があらわすように、「都市の中の頭(かしら)」。captainとかchiefの意味に近いですね。
(2)の「資本金」は「最初=あたま」の金という捉え方もできるし、ほんとは「中心部分の金」ということのようです。「利子」が「端」なら「元金」は「主要・中心」ですね。
(3)の「頭文字」は「文頭の文字」。文頭の文字は大文字で表すから、capital letter。なるほど。
(4)の「死刑に値する」というのもつながります。「頭」はひとの「命」と一体ですもんね。
capitalと似てる語で、capitaという語があります。これ、不思議な語で、辞書には"per capita"の使い方しか出ていません。もっとしらべると、「capitaはcaputの複数形」とあります。ラテン語ですね。caputは「【解剖】頭, 頭状部; 骨頭, 筋頭」とあります。"per capita"で「ひとり当たり」つまり「ひとり頭」のことですね。
「頭」を思い浮かべると、capitalや他の「cap系」の語の意味が理解できます。
ここからはおまけ
「頭」というのは、人間の生活に重要なものですから、とても古くからあった語だと考えられます。そこから派生した語がたくさんあることも当然に思えます。
不思議なのですが、capに似た語が日本語にもあります。しかもこれらも古い語です。
まず、「かぶら」=「かぶ」です。これは、頭の形に似ているから「かぶら」と名づけられたようです。西洋のcabbage(キャベツ)が「頭に似てる」からそう名づけられたのと似ています。
「かぶる」、「兜(かぶと)」や、それから「頭部」をあらわすこともある「首(くび)」という語も似ています。「こうべを垂れる」の「こうべ」も頭のことですがやはり似てますね。
雨合羽」の「カッパ」は、実は日本語ではなくて、ポルトガル語のcapaからきています。(頭からかぶる雨具)
欧州語と日本語以外の言語をみてみると、「頭」はタガログ語で「kab」、ネパール語では「kapa」。それから韓国語で「カリ」、トルコ語で「kelle」。古い語だけに、言語間につながりがあるように見えます。共通語源なんじゃないかと。
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